AIは「入れた後」が本番──いま注目される職種「FDE」から分かること
「AIを導入すれば、あとは仕事が楽になっていくはず」。そう、なんとなく考えていないでしょうか。
実は、AI活用がうまくいくかどうかは、導入した後の工程で決まります。今日は、いまニュースでも話題になっている新しい職種の話から、そのことをお伝えしたいと思います。
契約したのに、使われていないAI
「AIツールを契約したものの、使い方が分からず、そのままになっている」。最近、こうした話を耳にすることが増えました。
前向きに契約したのに、いざ使おうとすると、何から手をつけていいか分からない。日々の仕事に追われるうちに、気づけば開かなくなっている。誰が悪いという話ではなく、とても自然に起こることです。「契約すれば、あとは自然に使えるようになる」わけではない、というだけのことです。
実は、これと同じことが、世界中の企業で起きています。デモを見たときは「すごい!」となったのに、いざ導入すると、使える人がいない、業務の流れに合わない、現場が戸惑う——そうして、使われないまま終わっていく。AI導入の失敗の多くは、AIの性能ではなく、ここでつまずいています。
「FDE」という職種が生まれた理由
この問題に対して、アメリカでは面白い動きが起きています。「FDE(フォワード・デプロイド・エンジニア)」という職種が急速に増えているのです。日本のニュースでも取り上げられ始めているので、目にした方もいるかもしれません。
FDEを一言でいえば、「AIを作る人」ではなく、「AIを現場で使える形にする人」です。エンジニアとコンサルタントが混ざったような仕事で、顧客の会社に深く入り込み、こんなことをします。
- 会社のデータや既存の仕組みと、AIをつなぎ込む
- いきなり全社導入せず、1つの部署からの小さなスタートを設計する
- 現場のスタッフに使い方をトレーニングする
- 運用が始まった後も、現場の声を聞きながら改善を続ける
注目したいのは、この仕事の中身です。技術的な作業はもちろんありますが、中心にあるのは、現場の人が安心してAIを使い始められるようにする「調整」と「伴走」です。アメリカの名だたるAI企業がこぞってこの職種を置いているのは、「AIは、導入した後こそが本番だ」と分かっているからです。
日本の一歩先を行くアメリカでこれだけ需要が伸びているということは、日本でも、この考え方が当たり前になっていくはずです。
価値の中心は「作ること」ではなく「定着させること」
ここから、私たちが学べることは明確です。AI活用の成否を分けるのは、どのツールを選ぶかよりも、選んだ後にどう定着させるか、だということです。
ツールを渡されるだけでは、現場では使われません。自社の業務に合わせて調整し、使う人が慣れるまで付き合い、小さな成功を積み重ねる。この定着の工程があって初めて、AIは「契約しているだけのもの」から「仕事の戦力」に変わります。
これからAI導入を考えるときは、「何を入れるか」と同じくらい、「入れた後、誰がどう定着させるか」を計画に入れてみてください。外部の支援を受ける場合も、作って納品して終わりなのか、使われるまで伴走してくれるのか。この違いは、確認しておく価値があります。
まとめ
AIは、入れた後が本番です。世界で急成長している職種が「定着させる人」だという事実は、そのことを何よりはっきり示しています。
AIを契約したものの活用しきれていない、これから導入するが定着まで見通せない。そんなときは、お気軽にご相談ください。使われるようになるところまで、一緒に進めます。