知らないうちに情報が漏れる?──AIを使う会社が狙われる、新しいリスク
これまでこのブログでは、「AIに何を入れてよいか」という話を中心にお伝えしてきました。顧客情報を入れない、社外秘を伏せる。どれも、自分が気をつければ防げることでした。
今日からは、少し種類の違う話に入ります。自分が気をつけていても起こりうるリスク、つまり外部から狙われる、という視点です。
AIを使うと、会社に「新しい入口」ができる
まず、大きな考え方からお伝えします。
AIを業務に取り入れると、便利さと引き換えに、会社の情報に触れられる経路が増えます。これを、家にたとえてみてください。
これまでの会社には、玄関と窓がありました。メール、ホームページ、社内のパソコン。どこに鍵をかけるべきかは、なんとなく分かっていたはずです。
AIを導入すると、そこに新しい出入り口が加わります。しかも、これまでの防犯対策では守り方が分からない、少し変わった構造の入口です。
3つの「新しい入口」
具体的には、こういうものです。
1. AIが、外部の情報を読み込む場面。 最近のAIは、ウェブサイトを読んだり、送られてきたファイルの中身を確認したりできます。便利な機能ですが、裏を返せば「外から来た文章を、AIがそのまま受け取っている」ということです。
2. AIが、社内のデータとつながる場面。 業務でAIを本格的に使うと、社内の資料やデータを読み込ませることになります。AIが社内の情報にアクセスできる状態は、便利であると同時に、そこが狙われれば影響が大きいということでもあります。
3. 公開したAIに、誰でも話しかけられる場面。 ホームページに置いたチャットボットなどがこれにあたります。お客様だけでなく、誰でも自由に話しかけられる窓口が、24時間開いていることになります。
どれも、悪いものではありません。むしろ、AIの便利さの本体です。ただ、これまでの「情報を入れなければ安全」という考え方だけでは、カバーしきれない部分がある、ということです。
「知らないうちに」が、このリスクの怖さ
もう一つ知っておいてほしいのが、この種のリスクは気づきにくいということです。
パソコンがウイルスに感染すれば、動作がおかしくなるなど、何かしら異変が出ます。でもAIが関わるトラブルは、AIが普通に受け答えしているように見えるまま起こることがあります。使っている本人には、何も変わったことは起きていないように見えるのです。
だからこそ、「うちは大丈夫」と感じているときほど、一度立ち止まって確認する価値があります。
今日できること:自社の「AIの入口」を数えてみる
とはいえ、いきなり難しい対策をする必要はありません。今日できる第一歩は、自社にAIの入口がいくつあるかを把握することです。
紙に書き出してみてください。
- 社内で、誰がどのAIツールを使っているか
- そのAIに、社内のどの情報を読ませているか
- 外部に公開しているAI(チャットボットなど)はあるか
- AIが、外部のウェブサイトやファイルを読み込む使い方をしていないか
書き出してみると、「思ったより多い」と感じるかもしれません。あるいは、社員が個人で使っているものを含めると、把握できていない部分が出てくるかもしれません。それが分かること自体が、大きな一歩です。
守るべき場所が分からなければ、守りようがありません。逆に、入口さえ把握できていれば、次に何をすべきかは見えてきます。
次回は、この入口が実際にどう狙われるのか、そしてどう備えればいいのかを、具体的にお伝えします。今日は「そういうリスクがある」と知っていただければ十分です。
まとめ
AIを使う会社には、これまでとは種類の違うリスクが生まれます。自分が気をつけていれば防げるものだけではない、という点が、これまでの話との違いです。
まずは、自社にどんなAIの入口があるかを把握するところから始めてみてください。
自社のAI利用で、どこに気をつけるべきか分からない。そんなときは、お気軽にご相談ください。